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療養補償

 療養補償は、職員が公務災害又は通勤災害に認定された傷病についてそれが治るまで、必要な療養、又は必要な療養の費用を支給します。

  • 1.療養の範囲
  • 2.補償の給付方法、手続

1.療養の範囲

 この療養の範囲は、次に掲げるものであって、療養上相当と認められるものであり、その内容は個々の傷病に即して医学上、社会通念上妥当と認められるものに限られます。したがって、転医については、医療上又は勤務上の必要による場合等は原則として認められますが、例えばひとつの病院に通院していながら、被災職員の恣意によりいくつかの病院を転々として診療を受けるような場合は、医学的にその必要があると認められる場合を除いては重複診療となり、重複部分については補償の対象となりません。また、慎重を期する意味等の理由により、他の病院での再検査を行いたい旨、被災職員が希望している場合においても、当該再検査が医学的にみても相当の必要があり、社会通念上からも相当なものでなければ、療養補償の対象とはなりません。

 なお、公務上HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)又はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に汚染された血液等が既存負傷部位等に付着した場合は、公務上の負傷に該当し、その部位に洗浄、消毒等の処置が行われた場合は必要な療養と認められます。

ア 診察

(ア)医師及び歯科医師の診察(往診を含む)

(イ)療養上の指導及び監視

(ウ)診断上又は診療上必要なあらゆる化学的定性検査、顕微鏡検査、レントゲン検査その他必要な検査

(エ)診断書、処方せんその他意見書等の文書

  •  検査については、現在の医学水準からみて診療上必要な検査に限られ、診療と直接関係のない検査は必要な療養とは認められません。
     なお、公務上の負傷(汚染血液が既存負傷部位等に付着した場合を含む。)により<1>B型肝炎ウイルスに感染したおそれのある場合でグロブリン製剤の投与又はこれに加えてB型肝炎ワクチンの接種が行われた場合、<2>C型肝炎ウイルスに感染したおそれのある場合、<3>ヒト免疫不全ウイルスに感染したおそれのある場合で、負傷に対する治療が終わった後(付着の場合はその部位に処置がなされた後)に検査を行った場合は、診断上又は診療上必要な検査と認められます。

  •  診断書その他意見書等の文書料については、補償の実施上必要な文書に限られ、他の目的、例えば病気休暇届のように服務関係等に使用するものは認められません。なお、障害等級の決定に必要な診察等についても、療養補償の対象となります。

イ 薬剤又は治療材料の支給

(ア)内用薬及び外用薬の支給

 薬剤の支給については、医師が必要と認めるものに限り、原則として療養補償の対象として認められます。したがって、被災職員自ら売薬を求めた場合であっても医師が必要と認め具体的指導に基づいて行われたものは療養補償の対象となりますが、仮に医師が承知していたとしても、その必要性を認めないものについては療養補償の対象となりません。

(イ)治療材料の支給

 医師が治療上必要と認めたもの又は直接治療に関係があると認められるものに限り療養補償の対象とし、療養中でなくても日常生活に一般に必要とされるような生活用品等は原則として療養補償の対象とは認められません。なお、松葉づえ、コルセット等福祉事業と重複するものであっても、治療上必要なものは療養補償の対象となります。

(ウ)歯科補綴

 歯科補綴における金等の使用については、歯科補綴の効果又は技術上の特別の必要から金等を使用することを適当とする場合に限り、療養補償の対象と認められます。

ウ 処置、手術その他の治療

(ア)包帯の巻き替え、薬の塗布、患部の洗浄、あん法、点眼、注射、輸血、酸素吸入等の処置。

(イ)切開、創傷処理及び手術並びにこれらに伴う麻酔

(ウ)その他の治療

  • <1> 熱気療法、温浴療法、紫外線療法、放射線療法、日光療法、機械運動療法、高原療法等
    • 輸血には、輸血の処置費、血液の料金、輸送費、検査料等が含まれ、手術等については、現在の医学通念から一般にその治療効果が認められている方法によることが必要です。
  • <2> 温泉療法、マッサージ、はり、きゅうの施術等で医師が必要と認めたもの及び柔道整復師による施術

    • 熱気療法、温浴療法等の各種療法については、医学上必要と認められるもので、医師の指導のもとに行われることが必要です。
    • 温泉療法については、温泉の化学的作用等によりその治療効果が期待できるような疾病の場合に限り認められ、温泉の選択、入浴方法等についての医師の直接の指導が必要ですので、原則として温泉病院、温泉療養所において行うものに限られます。
    • マッサージ、はり、きゅう等については、医師が必要と認めたものに限られます。
    • 柔道整復師による施術については、脱臼又は骨折の患部に対するもの(応急手当を除く。)については柔道整復師限りでは施術が行えないものであることから医師の同意が必要ですが、それ以外の場合には、柔道整復師限りで施術が行えるものであり、これらはすべて療養上必要なものであれば、療養補償の対象となります。

エ 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

(ア)居宅における療養上の管理

 居宅において療養を行っている者(通勤の困難なものに限る。)に対する病院又は診療所の医師が行う計画的な医学管理

(イ)居宅における療養に伴う世話その他の看護

  • <1> 居宅において継続して療養を受ける状態にある者で、医師が必要と認めた場合の看護師等の行う療養上の世話又は診療の補助(訪問看護事業者によるものを含む。)
     この看護は、医療機関が行う在宅患者訪問看護等及び訪問看護事業者による訪問看護をいうものであり、訪問看護指示書及び訪問看護計画書に基づく内容を対象とし、看護師等の行う看護の他、理学療法士及び作業療法士が行う診療の補助も含まれます。
  • <2> 重症のため医師が常に看護師(看護師がいないためにこれに代わって看護を行う者を付した場合を含む。)の看護を要するものと認めた場合の看護料(<1>に掲げるものを除く。)
     「看護を要するものと認めた場合」とは、次のaからcまでのいずれかに該当することを医師が認めた場合で、その認めた期間に係る看護料が療養補償の対象となります。したがって、これらに該当する旨の医師の証明には看護を必要とする理由及びその必要とする期間が明示されている必要があります。
    • a) 病状が重篤であって、絶対安静を必要とし、看護師等が常時監視を要し、随時適切な処置を講ずる必要があること
    • b) 病状は必ずしも重篤ではないが、手術等により比較的長時間にわたり、看護師等が常時監視を要し、随時適切な処置を講ずる必要があること
    • c) その他体位変換又は床上起座が常時不可又は不能であるもの、食事及び用便について常時介助を必要とするもの等で、看護師等の看護が特に必要、かつ相当であること
       なお、この看護料は、当該地方の看護師(看護師がいないためにこれに代わって看護を行う者を付した場合は当該者)の慣行料金によります。
       また、看護料等に食事料が含まれていない場合は、一日につき1,800円の範囲内で現実に要した食事の費用についても療養補償の対象となります。
       被災職員が有料職業紹介機関を通じて看護師等を求めたときに受付手数料及び紹介手数料を負担した場合には、社会通念上当該地域において妥当と認められる額の範囲内で実際に負担した額が療養補償の対象となります。
       看護師及びこれに代わって看護を行う者の往復旅費については、被災職員がその療養の地域から看護師等を求めることができないためやむを得ず当該地域以外の地域から看護師等を求めた場合で、かつ、看護師等の旅費を被災職員が負担した場合に、看護師等の雇入れ期間を通じ1回に限り、看護師等の居住地から被災職員の療養の地までの間の1往復に要する額で被災職員が実際に負担した額(社会通念上当該地域において妥当と認められる額の範囲内に限る。)が療養補償の対象となります。

オ 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

(ア)病院又は診療所への入院

  • <1> 入院(入院に伴う食事を含む。)
  • <2> 入院中死亡した場合の死体の安置
     なお、入院に当たっての個室又は上級室の使用については、次のaからdまでのいずれかに該当する場合で、当該個室又は上級室に被災職員を収用せざるを得ないと認められる事情の存する期間についてのみ、社会通念上当該地域において妥当と認められる額の範囲内で被災職員が実際に負担した額が療養補償の対象となります。
    • a) 療養上他の患者から隔離しなければ適切な診療を行うことができないと認められる場合
    • b) 傷病の状態から隔離しなければ他の患者の療養を著しく妨げると認められる場合
    • c) 被災職員が赴いた病院又は療養所の普通室が満床で、かつ、緊急に入院療養させる必要があると認められる場合
    • d) その他特別な事情があると認められる場合
       入院中の暖冷房費、電気代、ガス代等で入院料とは別に医療機関から当然に請求されるものについては、入院料とみなして療養補償の対象となります。ただし、テレビ、ラジオ等個人的に使用したものについては対象とはなりません。
       入院中の寝具料については、被災職員が入院した医療機関から寝具の貸付けを受け、これを使用した場合又は貸寝具業者から寝具を借用し、その賃借料を負担した場合には、当該地域における標準的な賃借料の範囲内で実際に負担した額が療養補償の対象となります。

(イ)病院又は診療所における療養に伴う世話その他の看護

  • <1> 重症のため医師が常に看護師(看護師がいないためにこれに代わって看護を行う者を付した場合を含む。)の看護を要するものと認めた場合の看護料
     この「看護を要するものと認めた場合」の取扱い並びに看護料、有料職業紹介機関を通じて看護師等を求めたときの紹介手数料及び看護師等の往復旅費の取扱いについては、エの(イ)の<2>と同様です。
     なお、この場合における看護は、被災職員が入院している医療機関の看護要員以外の看護師等による看護であり、一定の要件を満たしていない医療機関に入院している場合には原則として必要な療養とは認められないものですが、特別な事情があると認められる場合はこの限りではありません。
    また、被災職員1人につき看護師等2人以上による同時の看護の場合についても同様です。

  • <2> 看護師又はこれに代わって看護を行う者を得られないためにこれに代わって家族が付き添った場合は、その付添の費用

カ 移送

(ア)災害の発生場所から病院、診療所等まで移送する場合又は療養中に他の病院、診療所等へ転送を必要とする場合の交通費、人件費及び宿泊料

(イ)病院、診療所等への受診又は通院のための交通費

(ウ)独歩できない場合の介護付添に要する費用

(エ)災害の発生場所、病院又は診療所等から自宅までの死体運搬の費用

(オ)その他必要と認められる移送の費用で現実に要したもの

 移送費についても、療養上必要、かつ、相当なものに限り療養補償の対象となり、医学上の理由もなく遠隔地の病院、診療所等へ行った場合や被災職員の恣意による転医などは対象となりません。
 病院、診療所等への受診又は通院のための交通費については、合理的な経路によることが必要で、一般的には電車、バス等の交通機関の利用について認められます。タクシー等の利用は、医師の判断はもとより、被災職員の傷病の部位及び状況、地理的条件及び当該地域の交通事情等を総合的に勘案し、やむを得ずこれらの交通機関を利用しなければならなかったものと認められる場合に限り、社会通念上当該地域において妥当と認められる額の範囲内で被災職員が実際に負担した額が療養補償の対象となります。
 また、やむを得ず友人等の自家用車を利用して謝礼等を支払った場合においても、同様に、社会通念上当該地域において妥当と認められる額の範囲内で、被災職員が実際に負担した額を移送費として支給します。
 なお、交通費については、領収書等を徴収することができない場合が多いと思われますが、移送の事実が立証でき、かつ、当該交通機関の料金が別途立証できれば、必ずしも領収書等の添付は必要としません。
 被災職員が自ら独歩できない場合の介護付添に要する費用については、給与を受けている者が付き添った場合は、付き添ったことによりその者が失った給与の額に相当する額を介護付添料として支給し、その額が国家公務員等の旅費に関する法律に定める日当の最低額に満たない場合は、その最低額に相当する額を支給します。(給与を受けていない者が付き添った場合も同様です。)
 入・退院のための寝具、日用品等の運送費についても、「その他必要と認められる移送の費用」として療養補償の対象となります。

2.補償の給付方法、手続

 療養補償の給付方法には、次の2通りの方法があります。

ア 指定医療機関による給付(療養の給付)

 基金が指定している医療機関で療養を受ける場合には、「療養の給付請求書」(記載例9参照)に所要事項を記載し、基金に提出してください。基金はこれに基づいて療養に要した費用を指定医療機関との契約に従い直接指定医療機関に支払います。

 なお、指定医療機関で療養を受ける場合においても自費で費用の一部を負担した場合(看護料、移送費等)については、次に説明する直接請求の方法で基金に請求してください。

イ 療養の費用の支給による給付(療養費の給付)

 指定医療機関以外の医療機関で療養を受けた場合は「療養補償請求書」により、次の2通りの方法で請求することができます。

  • (ア)直接請求……被災職員が療養に要した費用をいったん医療機関に支払い、この支払った費用を基金に請求する場合及び看護料、移送費等を請求する場合(記載例10参照)
  • (イ)受領委任……医療機関で療養に要した費用の受領を当該医療機関に委任し、医療機関が基金に請求する場合(記載例11参照)

 なお、共済組合員証等を使用して療養を受けた場合は、共済組合等が医療機関に対して支払いを行い、その支払った額について共済組合等から基金に対して返還請求がなされます。ただし、被災職員が医療機関に対し、直接支払った費用(初診料、診断書料等)については、直接請求してください。

ウ 請求の際の注意点

  • <1> 同一の被災職員について、直接請求と受領委任による請求がある場合は、療養の費用の受取人が異なるので、それぞれ請求書を分けて請求してください。
  • <2> 療養補償請求書を作成する場合は、記入洩れ、印洩れ等がないよう請求書の“注意事項”をよく読んで記入してください。
  • <3> 基金に直接請求する場合には、療養補償請求書に次の資料を添付してください。
適用 添付書類
a 被災職員自ら売薬を求める場合 医師がその理由を記載した証明書又は診断書、領収書
b 被災職員自らコルセット、固定装具等の治療材料を求める場合 同上
c 鹿補綴で金等を使用する場合 同上
d 温泉病院、温泉診療所において治療する場合 医師がその理由および予定期間を記載した証明書又は診断書、領収書
e マッサージ、はり等の施術をする場合 同上
f 入院で個室又は上級室を使用する場合 同上
g 看護を必要とする場合 同上
h 通院に際し、医学的見地からタクシーを使用する場合 同上
  • <4> 診断書、意見書等の文書料については、補償の実施上必要な文書(基金に提出した文書)に限られ、病気休暇届等服務関係などに使用するものは認められません。

地方公務員災害補償基金 岡山県支部
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